設備現況
韓国電力公社の変電所から154KVの電圧を受電し、都市鉄道変電所の電力変換装置を介して電車の運行と各駅に必要な電力を供給しています。電力供給システムは、変電設備、電車線設備、遠隔制御設備、一般電気設備、受・送電配電線路設備に大別できます。各設備の最新装備と優れた保護装置で円滑に電力供給ができるようにしています。
無色無臭の不活性(SF6)ガスを充填した金属製容器に収納されたガス絶縁開閉装置をGISといいます。154KVの特別高圧系統からの遮断器、断路器、開閉器、変成器などの電力機器と母線の絶縁性能に優れており、以下のような利点があります。
電力用変圧器は、受電専用154KV級の流入変圧器、整流器、電源供給用22.9KV級のモール
ド変圧器、駅に電気を供給するための高圧配電用22.9KV級の乾式モールド変圧器があります。
コンバーター設備は、交流22.9KVの電圧を直流1500Vの電圧に変換させ、電車の運行に必要な電気を供給する装置です。
電力変換は大容量の電力型半導体であるサイリスタ(Silicon Thyristor)を使っています。整流器設備はサイリスタ盤、制御盤、交流・直流フィルターなどからなります。
整流器から出力される直流電圧(1500V)を、電車線に直接供給する装 置で、1号線は断路器、2,3号線は高速度遮断器を使用しています。
無人運営の各駅舎の電気と変電所の電力機器の運転情報を収集し、電力司令で機器の運転状態、 負荷の変動状態など、都市鉄道の電源系統全般を監視するようにしています。障害発生時に 迅速な遠隔制御を可能にすることで、消費電力供給系統の緊急修復と都市鉄道の電源業務を滞り なく行うための重要な設備です。
I運営システム、リアルタイムデータベース、データ伝送、近距離通信など、遠隔制御システム全般を制御・監視するサーバー。二重系路構成で、現場の端末装置とデータの送受信を制御する伝送装置を組み込んでいます。
都市鉄道路線別の電力供給系統を多様なシンボルと線で表示。オペレーターが一目で給電・停電の状況を把握し、電源障害発生時に迅速な措置ができるようにする表示盤です。
オペレーターが電力供給設備の状態監視や制御を実行するための人間-機械間の連絡装置(MMI-Man Machine Interface)です。ワークステーションクラスのコンピューターと関連ソフトウェアで実装し、DLP制御も実行できるオペレーターの操作卓です。
駅舎電気室と変電所に設置。現場の電力機器の運転状態、電圧、電流などの操作情報を収集・加工し、電力司令室に伝送します。司令員による機器制御コマンドを出力する端末装置です。
駅舎電気設備は、プラットホームや待合室に設置されたエレベーター、エスカレーター、機能室(換気、冷房、排水、汚水)などの電源と、照明やコンセントなどの電気を供給する設備のことです。駅舎電気室は、都市鉄道変電所からの6.6KVの電気を380V/220Vに変換し、駅構内の電気設備に供給します。また、重要負荷は、2つの中継回路から常時電気が供給されるようATS(Automatic Transfer Switch)が設置されています。駅舎には非常照明灯が設置され、無停電電源装置から常時電気の供給を受けて、停電と関係なく安定した電気を供給しています。
電車に運転用電力を供給するため、軌道上に一定の高さで電車線路が設置されています。電車線路の架線方式は、本線の地上はHEAVY SIMPLE CATENARY、地下はCOMPOUND CATENARY、基地廠はSIMPLE CATENARY方式を採用しています。地上区間のCATENARY方式は吊架線を設置し、HANGERまたはDROPPERで一定の間隔で電車線を支えています。地下区間のCOMPOUND CATENARY方式は、給電吊架線と補助吊架線の間をV-DROPPERで支え、補助吊架線と電車線の間はCOMPOSITEEARで固定しています。
基地廠
高架区間
地下区間
4号線の電車線路は、第3軌道側方ガイド方式のAL/SUS複合剛体電車線で、変電所からDC750Vを受け て車両に電力を供給する設備です。